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バリュー平均法はドルコスト平均法より本当に高いパフォーマンスなのか?!

今まで、バリュー平均法の仕組みや特徴を、このブログやYouTubeで投稿してきました。
果たして、株や投資信託などの価格が変動する商品の、どんな値動きにも対応して高いパフォーマンスが得られるのか…
値動きを4つにパターン化して、それをドルコスト平均法と比較しながら検証したいと思います。

シンプルに考える4つのパターン 

バリュー平均法は、毎月1万円ずつ増えるバリュー経路です。
ドルコスト平均法は、毎月1万円の投資額です。

次の4つを想定して、考えてみました。

パターン 1. 値上がりが続く  
パターン 2. 値下がりが続く
パターン 3. 値上がり後値下がり
パターン 4. 値下がり後値上がり

コロナ禍の中で、株式市場は活況を呈して値上がりが続いている状況ですが、それはまさしくパターン1、例えば価格が400円から値上がりが続いて1,000円になる場合で確認してみます。
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投資信託を今月から翌翌々月までの4ヶ月間運用するとして、買付口数は1口未満を小数点第3位以下端数調整していますので、10円未満の誤差がある欄もあります。

値上がりが続いた結果は累積投資額、累積口数、そして損益欄の利益額のいずれもがバリュー平均法は、ドルコス平均法より少なくなっています。
なぜでしょうか?

価格が上昇を続ける場合、買付月の購入前残高(保有分の時価)の増加も大きくなって、バリュー経路との差が少なくなり、そのため購入必要額も月を追うごとに大きく減っていることが原因です。
一方、ドルコス平均法は、 購入前残高に関係なく毎月一定金額(1万円)で買付けていくため、価格が高くなるにつれて少なく買うことにはなりますが、バリュー平均法のように購入必要額を減らしてはいませんので、その分保有量の累積口数が多くなり価格が上昇するほど利益額がバリュー平均法より膨らむというわけです。

次はあまり想像したくないパターン2、今度は価格が1,000円から値下がりが続いて400円になる場合です。
f:id:value8:20210412125736p:plain 値下がりが続いた結果は 今度はパターン1とまるっきり逆に累積投資額、累積口数、そして損益欄の損失額のいずれもがバリュー平均法は、ドルコス平均法より多くなっています
価格が下降を続ける場合、買付月の購入前残高(保有分の時価)はそれまでの損失額分だけ少なくなっていますので、バリュー経路との差が月を追うごとに開いてきます
バリュー経路に合わせるためには、購入必要額を月を追うごとに増やす必要があるためです。
一方、ドルコス平均法は、毎月一定金額(1万円)で買付けていくため、価格が下がるにつれて多く買うことにはなりますが、バリュー平均法のように購入必要額を増やしてはいませんので、その分保有量の累積口数が相対的に少なくなり、価格が下がり続けても損失額はバリュー平均法より少なくなるというわけです。
なーんだ!!     どんな状況でも万能というわけではないんだ …
そう思うのが自然です。    でも本当にそうなんでしょうか。
確かに利益と損失を金額で見ると、成績はドルコスト平均法が上回っています。
では、投資額に対する割合で見たらどうなるんでしょうか?
パターン1では、
   バリュー平均法は、19,170円(利益)➗20,830円(投資額)=92%
   ドルコスト平均法は、24,170円(利益)➗40,000円(投資額)=60%

パターン2では、
   バリュー平均法は、17,000円(損失)➗57,000円(投資額)=30%
   ドルコスト平均法は、14,330円(損失)➗40,000円(投資額)=36%

バリュー平均法がドルコス平均法より利益の割合は上回り、損失の割合は下回っています。
つまり割合で見ると、バリュー平均法が成績が良い
ということになります。
言い訳がましく聞こえたましたか?
では、株や投資信託の実際の値動きは、常に上がりっぱなし、下がりっぱなしということでしょうか。
実際は、上がったり、下がったり、その期間が長かったり、短かかったりしながら推移していくのではないでしょうか。

そう考えるときのパターン3は、価格が400円から値上がりした後、値下がりする場合です。
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この場合、バリュー平均法独特の売却の取引が翌月に行われています
このとき価格が1,000円に値上がりしたため、購入前の残高(時価)が25口✖️1,000円の25,000円となり、バリュー経路の20,000円に一致させるためには購入額はマイナス5,000円になります。
つまり、購入ではなく5,000円分(5口)売ることで合わせるわけです。
売却分にかかった元手は、今月の価格400円の5口分の2,000円です。
差引3,000円の売却益が得られます。
その後の値下がり局面では、どちらの運用方法も利益は減少しますがドルコスト平均法は、最終月の損益がマイナスの損失になりましたが、 バリュー平均法はそれほど下がっていません。
なぜでしょうか?
翌月の時に5口売却して20口に減らしたのが、効いています。
バリュー平均法は、価格上昇でバリュー経路を超えるほどの購入前の残高(時価)になると売却して保有量を減らしますが、ドルコスト平均法はどんな時でも一定金額で購入するため、逆に10口増やして35口になっています。
価格の高い時の購入がない分、購入単価はドルコスト平均法より低くなることが、それほど下がらない原因のようです。
その上、売却によって価格が高いときの利益を部分的に実現しており、その売却金額をその後の価格が下がって購入資金が増えるときに充てれば、ドルコスト平均法よりもむしろ少ない金額で、より多くの保有口数を得ることも期待できます。
ただ、この4ヶ月が過ぎて5ヶ月目以降の期間も下がり続ける場合、パターン2で見た状況となりバリュー平均法の損失額の方が大きくなりますが、その分保有口数もより増えて次に見るパターン4の展開につながる期待が高まることになります。

そのパターン4は、パターン3と反対に800円から値下がりを続けた後、値上がりした場合です。
f:id:value8:20210410212955p:plain 今月から翌々月まで下がり続けるところまで見ると、累積投資額、口数、損失額のいずれもバリュー平均法は、ドルコスト平均法より多くなっています。
この状況は、まさにパターン2の「値下がりが続く」ですからそうなります。
ただ、4ヶ月目(翌翌々月)の価格1,000円に値上がりすると、バリュー平均法は35口売却し、35,000円の売却収入を得て売却益が16,720円になります。
売却益を出すための元手の金額18,280円の計算は、前月までの累積投資39,170円で75口保有してますから、35口分は
39,170円✖️35口/75口=18,280円(10円未満端数処理)となります。
この売却取引と似たような状況は、先ほど見ました。
パターン3の今月から翌月の価格が400円→1,000円に値上がりした場面です。
でも、利益が全然違います。
今回は値下がり局面が長く購入金額を増やしてタップリ購入できたため、売却によって多くの利益が実現したからです。
損益欄の19,110円は実現していない含み益ですが、ドルコスト平均法の含み益24,170円より少ないのは、売却によって含み益から実現利益となった16,720円が除かれているためで、それを合わせれば35,830円となりドルコスト平均法を上回ります
実現利益は、今後どうなるか不確定な含み益と違い、確定した利益ですから、バリュー平均法は価格の高いときに生じる利益を含み益のままにしない方法とも言えます。

以上、4つのパターンからバリュー平均法とドルコスト平均法では、運用結果が大きく違ってくることが明らかになりました。
それは、運用商品の価格の動きに大きく左右され、値上がりが続くときはドルコスト平均法が利益も保有量も多くなり、値下がりが続くとき今度は、バリュー平均法が損失も保有量も多くなります。
ところが、値上がりと値下がりが組み合わさると、バリュー平均法では売却取引もあったりして、相対的にドルコスト平均法より優位になるようです。
一般に株で運用する商品は、ハイリスクハイリターンの上がったり下がったりの値動きが大きい商品です。
これをバリュー平均法で運用すれば、本当に高いパフォーマンスが期待できるものと確信して、私は実際に運用しています。
しかし、これを例えば非課税で運用できるイデコで使おうとすると掛金を頻繁に変更することはできませんので、自然とドルコスト平均法になってしまいます。
しかしイデコでも使える場面があります。
それは、あらかじめ決めた資産配分から運用によって相対的に割合の増えた資産を売却して元に戻すリバランスです。
先ほどの価格が上昇してバリュー経路を超える部分を売却するというのは、割合の増えた資産を売却するリバランスと同じ効果を生むのではないでしょうか。
イデコでは、これをスイッチングで行います
その考え方を前にYouTubeに載せましたが、詳しいことは後ほど発信したいと思います。
また、これまでバリュー平均法についてYouTubeに投稿した動画をご覧いただければ幸いです。
今回は、だいぶ長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきましてありがとうございました。!!
YouTube一覧
強力リュー平均法 https://youtu.be/sZOyD5DVK_4
イデコのリバランスhttps://youtu.be/9cY8m-StZmM
驚きの結果バリュー平均法 https://youtu.be/WxHf_ALsNiY
バリュー平均法&ドルコスト平均法 https://youtu.be/SGOdTg9DKkw
コロナの時代のバリュー平均法 https://youtu.be/NzFXQGeAg1A